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イスラエルの伝統を築いた人々 その8:ソロモン③

<成和学生会報2017年2月号掲載>


広がる名声の中で

「神はソロモンに非常に多くの知恵と悟りを授け、また海べの砂原のように広い心を授けられた。ソロモンの知恵は東の人々の知恵とエジプトのすべての知恵にまさった。彼はすべての人よりも賢く…その名声は周囲のすべての国々に聞えた。」(列王紀上4・29-31)

神様から知恵を授かったソロモンの名声は周辺諸国に知れ渡り、新しい王の賢さを知るため多くの人々がイスラエルを訪れるようになりました。また、諸国の王たちも、イスラエルとの友好関係を深め、交易も盛んになりました。イスラエルの国にかつてない平安と繁栄がもたらされました。

こうした中、ソロモンは父ダビデの悲願であった、神殿の建設を決意しました。建設場所は、モリヤ山と決めました。アブラハムが愛する我が子を捧げるために祭壇を築いたその場所。アドナイ・エレ(主の山に備えあり)とアブラハムが名付けたその所に神の住まいを定めようとしたのです。

神殿建設に7年の歳月をかける

ソロモンは早速、親交のあるツロの王ヒラムに書簡を送り、建設に必要な木材と石材の調達を願い、労働力の提供にも協力する旨の条約が結ばれました。

ソロモン王の治世の4年目に入って、いよいよ神殿の建設が始まりました。神様があらかじめ示された設計図に従って、その長さ、高さ、奥行きが決められました。神殿の構造は、聖所と至聖所に分かれています。内装も美しく飾られていきました。また隅々に細工を施し、祭具や調度品も最高のものを準備しました。7年の歳月を要しましたが、人々の精誠が結集して神の宮はその姿を現しました。神殿の完成が間近になった時、主なる神様はソロモンに語りかけます。

「あなたが建てるこの宮については、もしあなたがわたしの定めに歩み、おきてを行い、すべての戒めを守り、それに従って歩むならば、わたしはあなたの父ダビデに約束したことを成就する。そしてわたしはイスラエルの人々のうちに住み、わたしの民イスラエルを捨てることはない」。(列王紀6・12-13)

神様はダビデに与えた約束を、ソロモンの代になって成就されたのです。そして、今度はソロモンとイスラエルの民がこの神殿に侍り、神のみ言に忠実に生きることを通して、新たな希望の時が訪れるのだと語るのです。その時には、神様は私たちの内に住むようになるというのです。

神殿の完成を祝う

神殿建設は終わり、いよいよ、契約の箱を移し替える日が来ました。ダビデの町と呼ばれたシオンの丘から、新しい神殿の核となる至聖所に、祭司たちの手によって担ぎ入れられました。その時、あたりは雲に覆われ、人々は“主の栄光”が神殿に満ちるのを見たのです。

ソロモンは感嘆の声をあげ、王の権威をもってイスラエルの全会衆を祝福して言いました。

「イスラエルの神、主はほむべきかな。主はその口をもってわたしの父ダビデに約束されたことを、その手をもってなし遂げられた。」(列王紀上8・15)

そして、かつて語られた神のことばを皆に思い起させました。その上で、祭壇の前に立ち、主なる神様に賛美の祈りを捧げたのです。畏れ多くも主なる神様の臨在を感じながら、罪の許しと救いの訴えが聞き入れられることを願いました。その範囲は、イスラエル民族にとどまらず、異邦人まで広げ、彼らの祈りまでも叶えてくださるようにと願いました。

祈り終えて再びイスラエルの全会衆に向かって祝福のことばを述べます。

「主はほむべきかな。主はすべて約束されたように、その民イスラエルに太平を賜わった。そのしもべモーセによって仰せられたその良き約束は皆一つもたがわなかった。… それゆえ、あなたがたは、今日のようにわれわれの神、主に対して、心は全く真実であり、主の定めに歩み、主の戒めを守らなければならない」。(列王紀上8・56,61)

こうして王であるソロモンとイスラエル民族がこぞって主の神殿の完成を祝うことができました。

主のことばが臨む

ソロモンはその後、王の宮殿の建設にも取り組み、13年の歳月をかけて立派な館を完成させました。彼が思い立った建設事業がすべて終わったのを見て、神様はソロモンにことばをかけました。

「あなたが、わたしの前に願った祈と願いとを聞いた。わたしはあなたが建てたこの宮を聖別して、わたしの名を永久にそこに置く。わたしの目と、わたしの心は常にそこにあるであろう。」(列王紀上9・3)

神殿の完成を喜びイスラエル民族と共にあろうとする神様は、この喜びが永続することを願います。そのために、もし偶像崇拝に陥るなら神殿は破壊され災いをこうむることになると言わざるを得ませんでした。


Category: 誌面説教