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原理講論を読もう♪83

<成和学生会報2017年2月号掲載>


ユダヤ民族捕虜および帰還時代

先月号は統一王国時代における王たちの不信、それに伴う南北王朝分立時代、そして北朝イスラエル、南ユダにおいても正しい信仰を持つことができなかったがゆえに、バビロンに捕われていく同時性の時代を学びました。

象徴的同時性の時代区分から見ると、統一王国時代の120年はアブラハムがハランの地を出た後、ヤコブがエサウから長子権を復帰する前の120年間を形象的な同時性として蕩減復帰する期間だったのに対して、南北王朝分立時代400年はヤコブがエサウからパンとレンズ豆のあつもので、長子権を奪う条件を立てたのち、イサクと神の祝福を受けてハランの地に入るまでの40年間を形象的な同時性として蕩減復帰する時代でした。

北朝イスラエルはアッシリヤによって捕虜として捕えられ、南ユダはバビロニアによって捕虜として捕えられました。その後、バビロニアがペルシャによって滅ぼされ、ペルシャ王クロスの詔書によってユダヤ民族はエルサレムに帰還することになります。エルサレムへの帰還は出エジプトのように民族全体がいっぺんに移動したのではなく、長い年月をかけておこなわれました。ユダヤ民族はネヘミヤ、預言者マラキに代表される指導者たちによって、もう一度民族の復興をかけて再出発するようになります。このようにユダヤ民族がバビロンに捕らえられた70年、エルサレムに帰還し、預言者マラキを中心としてメシヤを迎えるための準備期間に入るまでの140年を合わせた210年をユダヤ民族の捕虜および帰還時代と呼びます。

ユダヤ民族の捕虜および帰還時代の210年は、サウル王が神殿理想を成就することで蕩減復帰しようとした内容(モーセが最初にエジプト人を打つことで、イスラエル民族を率いてカナン復帰しようとした21日間)を、縦からなる横的な蕩減期間として復帰するために立てた期間でした。また象徴的同時性の時代区分から見ると、ヤコブがハランの地に入った後、サタン側の人物であるハランの要求により、レアを妻にめとるための7年間、ラケルを妻にめとるための7年間、そして財物を得てカナンに戻るまでの7年間を合わせた21年間を形象的な同時性として蕩減復帰する時代になりました。

メシヤ降臨準備時代を迎えられた3つの理由

このようにユダヤ民族は不信によって神様が約束されたカナンの地を失い、バビロンに捕われて信仰の中心である神殿を失い、民族離散によって民族の求心力を持つ王さえも失ってしまったにもかかわらず、どうやってメシヤ降臨準備時代を迎えることができたのでしょうか。それは大きく分けて3つの理由があります。

一つ目はユダヤ民族が国家と神殿を失ってはじめて自らの信仰を正しく実践するようになったからです。国家という民族の母体を失って、ユダヤ民族は自らの正しいアイデンティティーを信仰に求めるようになりました。割礼、安息日、過ぎ越しの祭りに代表される民族行事はもちろん、個人の次元でも戒律(食事にまつわる規則など)が重要視されたのも、このバビロン捕囚の期間だったと考えられています。これは捕虜という立場でありながらも、民族の信仰は大きな束縛を受けなかったバビロンの環境も一助となりました。

二つ目はエルサレム帰還後においてもユダヤ教は保護を受けることができた点です。ユダヤ民族の捕囚はバビロンがペルシャによって滅亡することで終わりを迎えますが、だからといってユダヤ民族が完全に独立できたわけではなく、バビロン帝国の代わりにペルシャの支配を受けることになったのでした。しかし当時のペルシャの王、クロスはユダヤ民族をエルサレムに帰還することを赦し、また政治的権威を侵さない限り、ユダヤ民族の信仰を尊重する立場をとりました。これによりユダヤ民族は祭司エズラを中心に神殿を再建し、またネヘミヤを中心にエルサレムの町を再建することができたのでした。度重なる支配者層の変化にもかかわらず、ユダヤ民族が正しい信仰を持ち続けることができる環境が与えられたのは、メシヤ降臨を準備するための重要なポイントとなりました。

最後に聖典(旧約聖書)の編纂をあげることができます。預言者マラキ以降(AD400年~)、ユダヤ民族は自民族の歴史を書物に整理する作業に取り掛かります。つまり、モーセ五書と呼ばれる聖書の最初の5巻以降の内容の編纂に着手したのでした。その中でもイザヤ書にはメシヤ(救い主)の思想が記述されています。「それゆえ、主はみずから一つのしるしをあなたがたに与えられる。見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルととなえられる」(イザヤ書7・14)こうしたメシヤ思想が聖典の編纂によって人々に伝わっていったことは想像に難くありません。

このように捕囚時代を経て正しい信仰を求めたユダヤ民族は、信仰が保護される環境と聖典の編纂により、メシヤ降臨の準備をすることができるようになったのでした。象徴的同時性の時代区分から見ると、メシヤ降臨準備時代400年はヤコブがハランの地からカナンへ復帰した後、エジプトで司となったヨセフを訪ねて、エジプトに入るまでの40年間を形象的な同時性として蕩減復帰する期間となり、この準備期間を経てユダヤ民族はメシヤであるイエス様を地上に迎えることになります。


Category: 誌面説教②