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イスラエルの伝統を築いた人々 その3:士師たち②

<成和学生会報2015年5月号掲載>

苦難の時の救助者

士師時代はイスラエル民族がモーセの教えを守り、創造主である神様に絶対的に従っていくかどうかが試された期間でした。イスラエルが神様を離れると、必ずカナン民族が彼らを隷属支配するようになります。その苦しみの中から神様に呼び求めると、神様が救助者を送ってくださるのです。この時代はその繰り返しです。
カレブの甥で娘婿のオテニエルが最初の救助者に選ばれ、メソポタミヤ王を滅ぼすと、40年間は平和が保たれました。神様を崇めることを忘れると、モアブ人が彼らを攻め、18年間隷属状態におかれました。
再び神様に呼ばわると、ベニヤミン族のエホデが選ばれてモアブ王を暗殺しました。それから太平の世は80年続きました。その後、アナテの子シャムガルがペリシテ人600人を殺してイスラエルを救いました。
しかし、シャムガルが死ぬとまたイスラエル民族は偶像を崇めるようになったので、カナン人でハゾルの王ヤビンの軍勢に攻め込まれました。その軍勢の長シセラが20年間イスラエルを支配下において彼らを苦しめました。

 

女預言者デボラとバラクの戦い

その頃、イスラエルを導いていた女預言者デボラがナフタリ族のバラクを招いて主のことばを告げました。
一万の兵を率いてタボル山に陣をしけば、主がシセラをキション川に引き寄せ、「あなたに出あわせ、彼をあなたの手にわたすであろう」(士師記4・7)と約束されたのです。
バラクはデボラも共に出陣することを条件に、神様の言われた通り一万の兵を率いてタボル山に陣をしきました。それにつられてシセラは、九百両の戦車と民兵をキション川に結集させました。
この時デボラはバラクに告げました。
 「さあ、立ちあがりなさい。きょうは主がシセラをあなたの手にわたされる日です。主はあなたに先立って出られるではありませんか」(士師記4・14)
主が信頼する一万人のバラク軍がタボル山から攻め下ると、シセラの軍勢はことごとく“主のつるぎ”に撃たれ全滅しました。ただ、シセラだけは戦車を捨てて敗走しました。

 

ヘベルの妻ヤエルの勇気ある行動

シセラはハゾル王ヤビンと同盟関係にあったケニびとヘベルの妻ヤエルの天幕に逃げ込みました。ヤエルはシセラをかくまい、凝乳を与えて、毛布で覆って安心させました。しかし、シセラが寝入った時、彼のこめかみに釘を打ち込んで殺しました。そして、シセラを追ってきたバラクを出迎え、既に息絶えたシセラの亡きがらを彼に示しました。

 

 「あなたは今行く道では誉を得ないでしょう。主はシセラを女の手にわたされるからです」(士師記4・9)
戦いの前に女預言者デボラがバラクに告げたとおりになりました。
バラク軍のこの勝利をきっかけに、イスラエル民族はハゾル王ヤビンに対する反発を強め、ついにこの王を滅ぼすことになります。その後40年間、イスラエルにひと時の平安が訪れました。

 

デボラとバラクの讃美の歌

バラク軍の勝利の日、デボラとバラクは主を讃美して歌いました。
 「イスラエルの指導者たちは先に立ち、民は喜び勇んで進み出た。主をさんびせよ。もろもろの王よ聞け、もろもろの君よ、耳を傾けよ。わたしは主に向かって歌おう、わたしはイスラエルの神、主をほめたたえよう。」(士師記5・2-3)
二人は神様の命じる通りにおこなって、この戦いに勝利しました。それを歓び、感謝の思いを込めて万軍の主である神様を讃美しました。その歌の中に、神様のみ業を思い起こし、勝利のために功績を立てた人々をも共に称えます。
 「起きよ、起きよ、デボラ。起きよ、起きよ、歌をうたえ。立てよ、バラク、とりこを捕えよ、アビノアムの子よ。その時、残った者は尊い者のように下って行き、主の民は勇士のように下って行った。」(士師記5・12-13)
異邦人の女ヤエルも除外することなく、その功績を称賛します。
 「ケニびとヘベルの妻ヤエルは、女のうちの最も恵まれた者、天幕に住む女のうち最も恵まれた者である。」(士師記5・24)
そして賛美歌はこう結ばれます。
「主よ、あなたの敵はみなこのように滅び、あなたを愛する者を太陽の勢いよく上るようにしてください」。(士師記5・31)
イスラエル民族が、主なる神様を愛し従い一つとなるための格闘が続いていきます。その途上に、天の前に真っ直ぐに立った勇気ある女性たちの功績も大きかったことを、聖書は決して忘れることはありません。イスラエル民族は、彼女たちのことをいつも思い起こし、強力な王国が建てられる前から、民族の模範と仰ぎ、あっぱれな女性として敬意を払ってきたのです。

Category: 誌面説教