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イスラエルの伝統を築いた人々 その2:ヨシュア③

<成和学生会報2015年3月号掲載>a295c43bbcbb9ef8602b27e593746efd02b83fd2.97.2.9.2

 

エリコ城の陥落

ヨシュアに率いられたイスラエル民族がエリコに迫った時、彼らの侵入を恐れたカナン民族は、城門を固く閉ざして守りを固めていました。しかし、「見よ、わたしはエリコと、その王および大勇士を、あなたの手にわたしている」(ヨシュア記6・2)と言われる万軍の主は、ヨシュアに次のように命じました。
 「あなたがた、いくさびとはみな、町を巡って、町の周囲を一度回らなければならない。六日の間そのようにしなければならない。」(ヨシュア記6・3)
そのことばに従って、武装した兵士らが先頭に立って前衛を守り、角笛を持った祭司らがそれを吹き鳴らしながら続きます。その後ろに、2枚の石板を納めた契約の箱が担がれて進み、後衛の兵士らが従います。6日間、角笛の音だけは響きましたが、兵士らは一言も声をあげませんでした。
7日目になって、早朝に起き出したイスラエルの民は、この日だけ町の周囲を7度巡りました。7度目を回り終わる時、7人の祭司が7つの角笛を長く吹き鳴らしたのでヨシュアは命令を下しました。「鬨の声を上げよ。」
この時になってイスラエルの民は一斉に叫び声を上げました。エリコの堅固な城壁も大音響と共にくずれ落ちたのです。彼らは怒涛の如くエリコ城内に攻め入り、町を手中に収めました。
すべての住民を滅ぼし去る前に、ヨシュアは2人の斥候に命じて、ラハブとその親族を救い出させました。イスラエルの神を畏れたラハブが斥候たちをかくまったことを覚えて、彼女との約束を果たしたのです。

 

イスラエル民族のつまずき

イスラエル民族は、ここから勢いよくカナン七族を滅ぼして、ヤコブの故郷にイスラエルの国を建て、モーセの律法に従って新たな文化を創造するはずでした。しかし、神様の命令に従わず、その心を悩ます不正行為が露呈しました。
ヨシュアはエリコに侵攻する兵士らに予めこう命じていました。「この町と、その中のすべてのものは、主への奉納物として滅ぼされなければならない。」(ヨシュア記6・17)そうした願いがあったにも関わらず、ユダ族の一人アカンが欲に目がくらんで“奉納物”に盗んで隠したのです。
このためにイスラエル民族は負けるはずのない戦いに敗れてしまい、兵士らの士気がひどく低下しました。それは神様の憤りの表れでした。神様は、イスラエル民族にだけは、異教の文化に染まらず、ただ神様のみを慕う者たちの住む、新しい文化国家を創建して欲しいと願ったのでした。だから、神様の願いに反するもの、人類を堕落にいざない地獄に貶めたサタンの痕跡を残すことを許さなかったのです。
異教の文化に心引かれ、物欲に目がくらむのは、神様をないがしろにする行為でした。新しい文化は、創造主であり救い主である神様と選民との揺るぎない愛の絆によって生まれ、育ち、発展していくものなのに、神様と神様の理想以外のものに心を奪われることは、裏切りであり、姦淫にも等しい行為と見られました。
アカンに罪を清算させた後、ようやくイスラエル民族の快進撃は始まりました。“戦いにおける勇者”ヨシュアは、最前線に立って全軍の指揮を執り、次々にカナン七族を追いやり、31の諸王を滅ぼしました。
その後、イスラエル民族は、部族ごとに土地を分け合って住むことになりました。

 

ヨシュアの遺言

モーセの後継者としてイスラエル民族を導いてきたヨシュアも、やがて年老いて先祖の列に加えられる時が来ました。ヨシュアのもとに集まったイスラエル民族は、ヨルダン川を渡った時のように、神様の前に立ちました。ヨシュアは、アブラハムの召命以来、イスラエル民族が神様と紡いできた歴史を思い起こさせ、遺言を残しました。
「あなたがたのうちにある、異なる神々を除き去り、イスラエルの神、主に、心を傾けなさい。」(ヨシュア24・23)
一同はこう答えました。
 「われわれの神、主に、われわれは仕え、その声に聞きしたがいます」。(ヨシュア24・24)
この言葉が偽りでないことを、一同は神様の前で誓いました。ヨシュアは、それを“律法の書”に書き留めて、祭壇に供えました。常に神様に心を傾けて、そのみ言に従うことが、選民の務めであることをもう一度確認した後に、その長き生涯を終えるのです。
 「これらの事の後、主のしもべ、ヌンの子ヨシュアは百十歳で死んだ、人々は彼をその嗣業の地のうちのテムナテ・セラに葬った。テムナテ・セラは、エフライムの山地で、ガアシ山の北にある。」(ヨシュア記24・29-30)

Category: 誌面説教