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原理講論を読もう♪55

<成和学生会報2014年10月号掲載>

ヤコブの12人の子供たち

今月からはモーセの路程について勉強をしたいと思います。モーセの路程はエジプトから始まります。モーセはヤコブの息子レビの子孫ですが、ヤコブやエサウのようにカナンの地で生まれたわけではなく、遠い異国の地であるエジプトで生まれました。当時は多くのヘブライ族(ヤコブの子孫)がエジプトに奴隷として住んでいました。神様が与えられたカナンの地に留まっていれば奴隷となることもなかったのに、どうしてエジプトに住むことになったのでしょうか?モーセの路程に前にヘブライ族がエジプトに住むことになったヨセフの路程について勉強してみようと思います。
ヤコブには全部で12人の子供がいました。この12人は全て同じ母親から生まれたわけではなく、正妻であるレアとラケル、そしてその仕え女から生まれた子供たちです。しかしヤコブは仕え女やレアよりもラケルを深く愛していましたので、自然とラケルの子供たちを他の子どもたちより深く愛していました。ラケルの子供は兄弟の内11番目のヨセフと12番目のベニヤミンでしたが、ラケルの最初の子供であり聡明でもあったヨセフをヤコブは最も愛していました。そのため他の子供には半袖の服しか与えなかったにもかかわらず、ヨセフには長袖の服を特別に与えたという記述もあるほどです。
この事実だけでもベニヤミンを除く他の兄弟たちは面白くなかったに違いありません。更にヨセフは兄の行動について父親に告げ口してまわりました。こんな弟が可愛かったはずがありませんが、兄たちの憎しみを決定的にしたのが、ヨセフが家族に語った夢の話でした。
「どうぞ私が見た夢を聞いて下さい。わたしたちが畑の中で束を結わえていたとき、わたしの束が起きて立つと、あなたがた(ヨセフの兄)の束がまわりにきて、わたしの束を拝みました・・・わたしはまた夢を見ました。日と月と十一の星とが私を拝みました。」(創世記37・6-9)
この夢は控えめに表現してもヨセフの10人の兄たちにとって気分の良くない夢でした。日は父であるヤコブ、月は母親、そして11の星はヨセフの兄弟たちを表現していることが明白だったからです。ヨセフは夢を通して「いつの日か父も母も兄弟も自分にひれ伏し、拝むだろう」と家族に伝えているのです。それ以来兄たちは結束してヨセフを憎むようになりました。

エジプトへ連れて行かれるヨセフ

ある日、羊を飼っている兄のもとにヨセフがお使いに行くことになりました。兄たちは遠目からヨセフを確認すると、日ごろの憎しみを晴らそうと彼を殺す計画を立てます。しかし長兄であるルベンは父を思い彼を殺すことに反対しました。「彼を殺してはならない・・・彼を荒野のこの穴に投げ入れよう。彼に手を下してはならない。」それに四男のユダも同調してこう提案します。「さぁ、われわれは彼をイシマエルびとに売ろう。」(創世記37・21-27)こうして兄弟たちは銀20シケルでヨセフを商人に売ってしまい、ヨセフはカナンからエジプトへと連れて行かれました。
エジプトについたヨセフはエジプトの役人の家に奴隷として住むことになります。ヨセフは聡明で賢かったため、すぐに家のすべてを管理するに至りました。しかし良い時期は長く続きませんでした。ヨセフは女主人の陰謀にかかり牢獄に入ることになります。

ヨセフの夢解き

牢獄に入って少なくとも2年が過ぎた頃、エジプトの王様が夢を見ました。夢の中で王様はナイル川のほとりに立っていました。するとその川から美しく肥え太った7頭の雌牛が上がってきて葦(アシ)を食べました。その後、醜くやせ細った7頭の雌牛が川から上がってきて美しく肥え太った雌牛を食いつくしてしまいました。王様は夢が気になって仕方がなかったため、魔術師や学者を呼び寄せて夢解きをさせました。しかし、誰も解き明かすことができませんでした。そのとき王様の給仕長は牢獄でヨセフに出会い、夢解きをしてもらったことがあったことを思い出し、王様にヨセフのことを進言します。藁にもすがる気持ちだった王様はヨセフを牢獄から呼び寄せて夢解きをさせました。
「神がこれからしようとすることをパロ(王様)に示されたのです。エジプト全国に七年の大豊作があり、その後七年のききんが起こり、その豊作はみなエジプトの国で忘れられて、そのききんは国を滅ぼすでしょう・・・それゆえパロは今、さとく、かつ賢い人を尋ね出してエジプトの国を治めなさい」(創世記41・28-33)
このようにヨセフは夢解きだけでなく、飢饉が起きた時の対処法まで詳しく説明しました。その聡明さに惚れ込んだエジプトの王様はヨセフを牢獄から出すだけでなく、エジプトの役人のつかさ(最も高い位置)に任命し全権を与えて政治をおこなうようにしました。
監獄にいた奴隷が一夜にしてエジプトのトップに立つというサクセスストーリーですが、ヨセフの言葉通りエジプトには7年の豊作の後、7年の飢饉が訪れます。ヨセフは豊作の時期に備蓄を蓄え、このエジプト全国の危機を乗り越えることができたため、名実ともにエジプトに不可欠な存在として地位を固めることに成功しました。
ところで7年間の飢饉はエジプトだけではなく、カナンでも起こっていました。ヨセフの家族たちは飢饉を予見できなかったため食物がなく生活に苦しむことになります。そこでヨセフの兄弟たちは食物を求めてエジプトに行くことになりましたが、そこでかつて商人に売り払った弟ヨセフと出会うことになります。完全に立場が逆転した状態で兄弟たちはどのように出会い、どのように和解したのでしょうか。来月号はエジプトに定着したヤコブの子孫とモーセの幼少時代に関して勉強しようと思います。

Category: 誌面説教②